TARO KOKE ARCHITECT 幸家大郎建築研究所

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    / 概説

  • TEXT= 幸家大郎

理念 / 周り巡る環境づくり

古代からの叡智によってつくられてきた生活環境のなかで私たちは活かされている。
その叡智は、自然との連続した繋がりとして暮らしを育んできた。

そもそも建築はフリーエネルギーである。
暮らしのなかで有機的に自然と繋がりながら、
さまざまな喜びのエネルギーを増大させていく。

風はそよぎ川はながれ、自浄しながら循環していく。
滞らせてはならない。

循環型(ローカル・社会・自然) 循環としての建築/都市・ローカル/空家カスタムリノベーション/社会ストック

自然界でのエネルギー循環について、生活環境における温熱や素材など物理的なことばかりが問われている傾向にあるが、リサイクル/アップサイクル、地域的再生といったような〈文化的な要素〉もまた循環していく社会として志向していきたい。

自然にモノが分解され、腐敗/発酵を経て平衡自然に戻っていくまでには一定の時間を要する。またそれらの加工度や人工的度合いによっては、時間のなかで事物としての多種多様なエネルギー循環(=ギャップ)を可能にする。

中間領域・バウンダリー・インフラ 敷地境界/内と外/大地の再生・循環/石垣/インフラ共有ライン

建築空間において、内と外を繋ぐ中間領域、外部とのつながり方や関係性が成り立っていくような緩衝スペースは、〈循環としての建築〉のあり方を方向づけていく。

一方で、敷地や街区といった視点まで広げると、その境界は古くから道や石垣など〈線のインフラ〉によって囲われ、分け隔てながらも共有されてきた。ところが、近代以降の特徴的工法は、そこでの水や空気の自由な動きを滞らせ、遮断するよう風通しのにぶい環境をつくりあげてしまっている。それらの見直しもまた循環環境への鍵となっていく。

計画的解体・減築 スケルトン/リノベーションの自由度/風通し/採光

スクラップアンドビルドの発想に対して、既存の空間から生活環境のリノベーションを構築していくには、多くの場合解体を伴い、そこで見いだされた〈スケルトン〉という骨組みの空間から考えていくことになる。

このスケルトンは発想の初期設定ともいえ、それを探るための〈計画的解体〉と、風通しや採光を確保するための〈減築〉は相互にフィードバックする。

道具(考) 道具のネットワーク/ブリコラージュ/適性技術/音・熱環境

道具のネットワーク(=体系)を考えることで事物がより興味深くなったり、事物を構築していくプロセスに変化が与えられたりすることがある。たとえば建築模型は本来建築をつくるための道具であるが、その模型自体の質感やスケール感などから逆にフィードバックを受けることもあるだろう。

一方で、生活のための構成空間やモノの使途の変更なども、道具ネットワークの拡がりとするブリコラージュ的発想から様々な展開へと導くことができる。